星野誠 makoto hoshino

躁鬱とアンフェタミンの映画『ジュディ 虹の彼方に』

2020.3.12

『ボヘミアン・ラプソディ』『ロケットマン』に続く、新たな伝記映画というジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』を見た。

いやあ、ロケットマンなどとともに、これもとっても良い映画だったのだけれど、自分には、アンフェタミンと躁鬱のとこばっかに注意がいっちゃって、アンフェタミンと躁鬱の映画にしか見えなかった。

映画の主人公、ジュディ・ガーランド、幼少の時MGMと契約。で、「スリムでいること」が契約内容にあり、強制的なダイエットから、ダイエット薬として使用されていた覚醒剤アンフェタミンを常用、そんなシーンが出てくる。

で、大人になったジュディも幼少からのアンフェタミン常用のための、薬物中毒の影響が顕著で、遅刻や出勤拒否を繰り返している。そんなシーンがでてくる。あと、幼いジュディや大人になったジュディ「眠れない、眠れない。眠らせて」と言っているシーン。もっとも印象に残ってるのは、そのシーン。

アンフェタミンの精神的な作用として、注意力の亢進、多幸感、集中力の増加、多弁、他者への信頼感の増大、社交性の向上、眼振、幻覚、服用後のレム睡眠の消失。長期的な精神的な影響には不眠、統合失調症に類似した精神状態、攻撃性の増加、錯乱、パニック。妄想とパラノイアとのこと。

アンフェタミンは精神依存性が非常に強く、依存症になると、不穏状態、不安、うつ、不眠、自殺衝動といった症状があらわれるとのこと。まさに映画の中のジュディそのもの。

アンフェタミンは最初、アメリカでは1937年に副作用のない素晴らしい薬として導入され、「疲労感防止、睡気除去、気力昂揚」の驚異の薬と呼ばれ、もてはやされていて、日本でも戦中は夜戦の兵士や、軍需工場の工員に能率向上として使用されていたらしいけど、1951年には覚せい剤取締法が制定で覚せい剤に認定。

数々の賞をとった薬物系ドラマ『ブレイキング・バッド』で作られていた通称メス(メタンフェタミン)と同様の中枢興奮作用を持つ薬アンフェタミン。やっぱり、陰陽じゃないけど、気分もあがったら、その分下がる。やっぱりナチュラルに自分の気分をあげていけるようになりたい。

気分の躁鬱が激しかったジュディ、生涯莫大な収入もあったけど、その大半を浪費、埋葬の費用にも事欠いたということ。心の浮き沈みと財布の浮き沈みも一如。色々と心に刺さる映画でした。

 

 

 

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