星野誠 makoto hoshino

昨日の「ワクワク」は今日「イライラ」?

2025.9.12

昨日は、韓国のホテルの一室にいた。

シチュエーションも、ロケーションも、前日と全く同じ。

それなのに、前日あれほど感じた幸福感が、嘘のように消え去った。それどころか、なんだか一日を通してイライラしていた自分に気づく。

一体、なぜだろう?

昼のアクティビティが、前日ほど充実していなかったからだろうか。

いや、もっと本質的なことかもしれない。おそらく昨日が、あまり創造的な一日ではなかったからだ。

ここで、ふと思う。

マンネリは、一番幸せを感じにくくさせる、と。

前日あれだけ新鮮だったソウルの風景も、二日目になると少しずつ「日常」に近づいてくる。人間の脳は、なんて正直で、なんて贅沢なんだろう。もし記憶が毎晩リセットされたら、毎日が新鮮で、ずっと楽しいままでいられるのだろうか。

空港の近くの、前日と同じ道を走りながら、そんなことを考えていた。この辺りは、巨大なターミナルのすぐそばに、昔ながらの海水浴場や畑が広がっていて、そのギャップが面白い。パラダイスシティやインスパイアホテルのような巨大な統合型リゾートが立ち並ぶ、一種の「非日常」空間でもある。

しかし、どんな「非日常」も、いずれは慣れてしまう。

そうなった時に、人の幸福感を左右するのは、おそらく外部からの刺激ではなく、自分自身の内側から湧き出るものなのだろう。

これは、「ユニクロで気分が上がる人と、上がらない人」の違いに似ている。

高価なブランド品や、特別な体験でなければ心を満たせない人もいれば、ユニクロで買った新しいTシャツ一枚で、心から満足できる人もいる。

どちらが良いという話ではない。ただ、後者の方が、日常の中で幸福を感じる頻度は、きっと高い。幸せに対する感度の問題だ。

そして、その感度を磨く方法の一つが、「コツコツと、一気に」という話に繋がる気がする。

何かを「一気に」成し遂げた時の達成感は、もちろん大きい。しかし、それは長続きしない、瞬間的な興奮に近い。

一方で、「コツコツ」と何かを積み重ねることで得られる充実感は、もっと静かで、持続的だ。それは、自分の中に確かな自信と、揺るぎない価値基準を育ててくれる。

前日の自分は、韓国という「非日常」の刺激でワクワクしていた。

昨日の自分は、創造的な「コツコツ」が足りず、マンネリに苛立った。

結局のところ、旅先のような特別な場所で得られる幸福感は、瞬間的で、とても脆い。

本当の幸福とは、日常の中で、自分の手で何かをコツコツと積み重ね、通常のTシャツ一枚にも喜びを見出せるような、心の状態そのものを指すのかもしれない。

昨日のイライラは、そんな大切なことを思い出させてくれる、良いきっかけだったと思うことにしよう。

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