星野誠 makoto hoshino

ニルマル・プルジャ 不可能を可能にした登山家「軍にいたとき、仲間を見捨てたことはない。それは山でも同じだ」

2021.12.8

6ヶ月と6日というあり得ない期間で、14座を登頂された超人、ネパールのニルマル・プルジャNirmal Purjaさん。

登頂スタイルはハイブリッド。8000m以上から酸素を使う。ルート工作はすべて自分達。

知らないうちにNetflixでドキュメンタリー映画ができていた!

ニルマル・プルジャ 不可能を可能にした登山家 「Project Possible」プロジェクトポッシブル 

やばい!やっぱりやばい!本当にやばい。

Nirmal Purjaさんは、最強という元グルカ兵にして、イギリス特殊部隊。なおお父様も元グルカ兵だという。

全部やばいのだけれど、一番改めてヤバさを感じたのが、スピードレコード中のレスキューの場面。

なんと、6ヶ月6日という脅威の14座中、アンナプルナでは、登頂後すぐ、遭難者の救助のためニルマル・プルジャさん含めチーム3人で再びヘリで6500mへ、そして7500m地点まで登り、そこから3人で遭難者を担ぎおろしてくるという間違いなく誰も真似できない芸当。

さらにカンチェンジュンガでも、遭難者に自分の酸素を譲り、助けがくるまで最後の最後まで尽くし続ける姿勢。

「軍にいたとき、仲間を見捨てたことはない。それは山でも同じだ」

14座スピードレコード挑戦中、挑戦のさながらで、普通絶対にできない。というか、1つの山挑戦中の登山家だって、気持ちは助けたいというのはあっても、行動までは及ばない人のほうが圧倒的に多いだろう。

あと、トレーニングがやばい。6ヶ月かかさず、35kgの荷物を背負って20km必ず走り、その後ジム。しかもそのスピードもやばい。本当に走っている。

このドキュメンタリー映画1時間41分なので、14座のそれぞれも、だいぶ端折られているが、K2登頂後の36時間後にブロードピーク登頂とか、エベレスト含む3座を48時間以内に登頂など、やばいところしかない。

あと、余談だけれど、エベレスト大渋滞、このおそらく誰もが見たことがあるこのニューヨークタイムズの写真

これ、ニルマル・プルジャさんが14座中に撮った写真だったと初めて知った!

今回の挑戦で、ニルマル・プルジャさん6つの世界記録を更新しているが、絶対に1つの山だけでも壮大な映画になる。

とくに最後14座目、シシャパンマ。

これ、中国の登山許可が降りずに絶対絶命に思えるが、それも実力で打破!

政府高官に会いに行ったり、軍の関係者にあったり、SNSを活用して世界中に呼びかけたり、そして通常なら絶対に降りないであろう登山許可を例外的にGET!!!これこそ本当の実力!これも山の実力!

14座のスピードレコード中ですら、

「軍にいたとき、仲間を見捨てたことはない。それは山でも同じだ」

と山でも救助に勤しんだニルマル・プルジャさん。記録自体は、きっとそのうち誰かに破られるのかもしれないが、この心意気と偉業は当分誰も真似できないだろう。

最後は、世界で初めて無酸素で14座登頂された超人ラインホルト・メスナー氏で締めさせていただこう

「私は口であれこれ言うより挑戦する男が好きだ」

自分もニルマル・プルジャさんや、メスナーさんに恥じないような、「口であれこれ言うより挑戦する男」を常に目指していきたい。

改めて、本当にすばらしい!

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