星野誠 makoto hoshino

「昔に戻りたいですか?」「子供のために」の中身は、ただの親の悔恨。

2021.5.20

「昔に戻りたいですか?」「過去に戻れるとしたらいつがいいですか?」

比較的よくある質問で、こういった質問をされても、「いえ、特に」「戻りたい過去はありません」と答えていた。今まで色々と痛い目にあったし、無駄なことも多くしてきたし、間違いも多かった。

ただ、だからこそ今があるので「特に戻りたい過去はない。今の自分の人生に満足だ」そう思っていた。

ただ、ちょっと最近別の角度から自分を見た時に、本当はそうではなく、自分の強がりだったと思うことがあった。

うちは子供が4人。一番下の子の名前は、星野銀河だ。エベレストを登っている時に、6,200mほどで名前が閃いて、実際我が家に生まれて来てくれた子だ。

自分は宇宙に本気で行こうと思っているし、絶対に行く。けれども、うちの子に、これからの宇宙に大きく羽ばたく子になるようにと、息子の名前に自分のやりたいことを託したわけだ。

子供に自分のやりたいことを託すということは、自分ができなかったことを、自分がこうありかったという過去を託しているということに気づいた。本当は自分も、過去に戻りたかったのだ。

「特に戻りたい過去はない。今の自分の人生に満足だ」と口では言っているけれど、子供に自分のやりたいことを託した時点で、自分はこうありかたった。自分も、昔に戻れば、こんなことができるはず、あんなことができたはず、そう思っているということだ。

「子供のために、子供のために、子供のために」子供の将来のためにあれこれ言う、これは、子供の将来のためでもなんでもなく、ただ単に親のエゴだ。

人生をこうやったら、もっとうまくやれたのに。あの時こうやったら、もっとうまくやれたのに、「子供のために」は、そんな親の悔恨の塊だ。

自分は自分の人生を生きてきたし、生涯自分の人生を生き続ける!と表では言っていたけれど、自分の人生に悔恨があるのがわかった。

「子供のために」は決して子供のためにではない。本当に「子供のために」なることは、親がいつまでも、しっかり現役で自分自身の人生を生きること。そうすることで、子供達も、きっと自分自身の人生をしっかりと生きれるようになるはずだ。

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