星野誠 makoto hoshino

ジョージ・マロリー氏「結局、エベレスト登るのに意味なんてまるでないのだ!」

2019.6.27

本日、東芝エレベーターさんで講演をさせていただくための資料を作っていたところ、エベレストをヒラリー氏よりも先に登った可能性があるというジョージ・マロリー氏の記事を読んでいて、そうかマロリー氏はチベット側から登ったのか!と改めて共感、さらにマロリー氏の残していたセリフに共感した。

さて、現在エベレストを登頂するためのルートは、ネパール側からとチベット側から2通りの方法がある。

エベレストに人類初登頂したヒラリー氏はヒラリーステップという名でもわかる通り、ネパール側から登頂している。

そして、生きていたら初登頂になっていたかもしれないマロリー氏は、チベット側から挑んでいる。ちなみに2年前エベレストに行った自分はマロリー氏と同じチベット側から登頂。

チベット側には、ヒラリーステップがないかわりに「セカンドステップ(高さが30mほどで上部はほぼ垂直な岩壁になっている石灰岩の岩場)」と呼ばれる難所があるのだけれど、1975年以降、今では中国隊の手でアルミはしごが設置されている。

マロリー氏に関しては、「登頂後に遭難した?登頂前に遭難した?」という議論が長年続いているようだけれど、中国隊のアルミはしごを取り外した状態でのセカンドステップの難易度は、フールディング難易度も5.9程度といわれていて、大変難しい。

なので、はしごなしでのセカンドステップの困難さを理由に、ラインホルト・メスナー氏に代表される現代の登山家の方たちの多くは、はしごがなかった時代でのマロリー氏らの登頂を否定している。

なお下の写真は実際に自分が登った時の「ファーストステップ、セカンドステップ」

黄色のダウンが自分

中国隊のアルミはしごを取り外した状態でのセカンドステップ、フールディング難易度は5.9

マロリー氏が登頂後に遭難か登頂前の遭難かは謎のママだけれど、

「もし山に登っても、下山中に命を落としたら何もならない。登頂とは登ってまた生きて帰ってくることまでを含むのだ」

とヒラリーさんがいう通り、山は下山してナンボ。生きて帰ってこそ登頂というのは、確かにそのとおり。

さらに、マロリー氏のインタビューなど様々な記事を読んでいたら、面白い記事を発見した。自分ですら、エベレスト後に、たびたび言われる質問

「なぜ、あなたはエベレストに登ったのか?エベレストになんの意味があるのか?」

この質問にマロリー氏は、

「そこにエベレストがあるから(Because it’s there. )そこに山があるから」

と答えたというのは有名な話。

さらにマロリー氏は、ハーバード大学での講演で「エベレストに登る目的は?」との問いに、

「山頂の一個の石を欲しがる地質学者を満足させ、人間がどの高さで生きられなくなるかを生理学者に示す以外、何の役にも立たない」と述べていたらしい。

パイオニアのマロリー氏でも、

「結局、エベレスト登るのに意味なんてまるでないのだ!」

といっているエベレスト。

今エベレストに商業登山で登っている人もまさに同じで、

「結局、エベレスト登るのに意味なんてまるでないのだ!」

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