星野誠 makoto hoshino

エーザイ、共同開発の新たなアルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」EU申請とりさげ

2022.4.26

アルツハイマー病。

不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われる病気 (参照wikipedia)

治療薬がまったくないといわれていたアルツハイマー。そんなアルツハイマーの薬を初めて世に出したのは日本の製薬会社エーザイ。根本治療薬ではないが進行を食い止める薬「アリセプト」

「アリセプト」の開発から、製薬会社の苦悩や、エーザイ、アルツハイマーとの戦いの歴史がわかるノンフィクションの一冊「アルツハイマー征服」を読んだ。

製薬会社のランキングを見ていると、まるでF1のよう。薬の特許は20年。20年たてば、特許が切れ、その後ジェネリック薬によって売り上げがピーク時の1割程度と一気に下がるという。

実際、アリセプトの特許がギリギリ切れる前、2010年の世界ランキングではエーザイは20位。特許が切れてしまい新薬も出せていないエーザイのランキングは、2021年では完全に圏外。

製薬会社は、どんなにすばらしい薬を作っても20年で次の新たな新薬を作れなければ、規模縮小や下手すると敵対的回収、また一気に倒産もあるという。

エーザイは、特許切れを迎えたあと、2014年よりバイオジェン社と新たなアルツハイマーの薬「アデュカヌマブ」の開発を着手。昨年やっとアルツハイマー病の原因物質を取り除く、世界で初めての薬ということで、発表。しかし、アメリカで限定的に認証。日本では、審議中。EUでは先日販売申請取り下げのニュース。

製薬会社というのは、本当にハードな業態だ。

製薬会社の苦悩や、エーザイ、アルツハイマーとの戦いの歴史がわかるノンフィクションの一冊「アルツハイマー征服」興味のある方はぜひ!

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