星野誠 makoto hoshino

「AX-1」スペースXで国際宇宙ステーションへ民間人送り込んだAxiom Space社。NASAから国際宇宙ステーション向け商業用モジュール第1号を受注している実力派。

2022.4.14

今まで、ロシアのソユーズの席を買い民間人をISS(国際宇宙ステーション)に送っていたのは、1998年創業のスペースアドベンチャー社。ここが唯一の会社で、今まで8人の民間人をISSに送り込み、先日前澤さんもここスペースアドベンチャーでISSで宇宙にいかれた。

先日そのスペースアドベンチャーではなく、新たな会社Axiom Space社から4人の民間人が無事国際宇宙ステーションへ。

今回のクルーは4人。元NASAで995年から2007年にかけて、4回の宇宙旅行を経験しているロペス-アレグリア氏。オハイオ州の不動産王であり冒険家、プライベートパイロットでもあるラリー・コナー氏。カナダの投資会社オーナーのマーク・パシー氏。イスラエル空軍の元戦闘機パイロットで実業家のエイタン・スティーブ氏。8日間の宇宙ステーション滞在。

なお、ISSへの旅は1席あたり70億ほど(5500万ドル)といわれていたけれど「アクシオム・スペース社は財務条件を開示しない」と発表しており、この価格は違うよう。そしてAxiom社は、今後2年間でさらに3回の民間宇宙飛行士による宇宙ステーションへのミッションの実施をSpaceX社と契約しているという。

Axiom社、スペースアドベンチャーズからとってはライバルなのは間違いないけれど、Axiom社としてはスペースアドベンチャーズは眼中にもないのかも。なぜなら、Axiom社。2020年2月28日にNASAから国際宇宙ステーション向け商業用モジュール第1号を受注している。

NASAから受注したのは、5年の基本期間と2年のオプションからなる最長7年の発注期間で、オプションを含めた最大潜在価値が1億4000万ドルの固定価格・無期限納入・無期限数量契約。

今回のISS滞在もあくまで、その前段階としての準備程度だという。

Axiom社の共同設立者であり社長のMichael Suffredini氏は、元NASAの宇宙ステーション・プログラム・マネージャ。

「資金調達は非常に重要です。私たちは世界で最も価値のある5つの企業(Facebook、Apple、Amazon、Microsoft、Google)が創業時に赤字で運営していたことをモデルにしています。できるだけ多くの株主価値を創造し、必要不可欠なインフラを構築するために資本を得て、安全性に焦点を当てながらスピード感を持って革新していくというのが計画です」(Michael Suffredini氏)

商業目的地は、地球低軌道における強固な経済の重要な要素と考えられているため、商業目的地開発のための複合的な取り組みを通じて、NASAは、ステーションの寿命をはるかに超えて、低地球軌道における長期的なニーズを満たすために大変重要とのこと。

さらに、NASAの月探査計画「Artemis」の一環として実施される「Artemis III」ミッションで初の女性および次の男性が月に到達することを含め、将来の月および火星へのミッションを可能にするために、地球低軌道での微小重力研究や試験を引き続き必要としているので、その点でも商業用モジュールがとても重要とのこと。

1988年創業の老舗スペースアドベンチャー社も同じくスペースXと宇宙旅行計画を締結しているというけれど、宇宙ステーションのモジュールの開発の案件もNASAから受注、世界初の商業宇宙ステーションを作ることを目標に2016年に設立されたAxiom Space社と比べるとちょっと力不足か。

ISSへ民間人を飛ばし、商業用モジュールの開発を受注したAxiom Space社。これから民間宇宙旅行時代のパイオニアになるかもしれない。

Axiom Space社のHPはこちら

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