星野誠 makoto hoshino

「雑草はなぜそこに生えているのか」自然界でナンバー2はありえない

2021.10.4

「雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略」がとても面白かった。

最近、働くということや、変化、生きるということを色々と考える機会が多い。

世の中が変化してしまった。先が見えない。状況が悪い。やっていけない。

そんな中で、一番大切なことは、いや、唯一必要なことは、自分の頭でしっかりと考え、常に変化に順応していけるか。それだけなのかもしれないと改めて感じた。

以下本文より抜粋

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・競争に強いばかりが、強さではない。じっと耐える強さも、また「強さ」なのである。

・雑草にとっては、除草する人間は敵かも知れない。しかし、その敵の存在によって、雑草は生存の場が与えられているのだ。おしらく、人間がいない環境で生き続けることは難しいだろう。

・「休眠」は雑草にとって、もっとも重要な戦略の1つ。休眠は、すぐに芽を出さないという戦略である。

・雑草の種子は、できるだけ「そろわない」ことを大切にしている。同じような種子をたくさん作っているように見えても、できるだけ性質をそろえずに、バラバラにするようにしている。

・環境はさまざまだから、どんな性質が優れているかは環境によって変わる。あるいは、時代が変われば求められる性質も大きく変化する。

・条件が悪いときは悪いなりに、条件が良い時には良いなりにベストを尽くして最大限の種子を残す。これこそが、雑草の強さなのである。

・環境は変えられない。そうだとすれば、変えられるものを変えるしかない。変えられるものというのは、雑草自身である。

・生きていく上で「変えてよいもの」と「変えてはいけないもの」がある。変えてよいものに固執して、無駄なエネルギーを使うよりも、変えてはいけない大切なものを守っていけば良い。

・人間は「男らしく、女らしく」「高校生だから」と分類に呼応して特徴づけたがる。しかし、雑草の自由さをみていれば、「こうあるべき」というのが、どんなに狭い考え方かわかるだろう。

・環境は常に変化をする。植物の生える場所に安住の地はない。常に新たな場所を求め続けねばならない。分布を広げることを怠った植物はおそらくは滅び、分布を広げようとした植物だけが、生き残ってきた。それが、現在のすべての植物たちが種子散布をする理由である。

・種子がさまざまな工夫で移動する理由は、他にもある。それは、親植物からできるだけ離れるためなのである。親植物の近くに種子が落ちた場合、最も脅威となる存在は親植物である。親植物が葉を茂らせば、そこは日陰になり、やっと芽生えた種子は十分育つことができない。そこで、植物は、大切な子供たちを親植物から離れた知らぬ土地へ旅立たせるのである。

・自然界でナンバー2はありえない。ナンバー1しか生き残れない。それでもこんなにもたくさんの生き物がいる。つまり、すべての生き物が、どこかの部分でナンバー1なのである。すべての生物が自分だけのニッチを持っている。

・最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化のできるものである(ダーヴィン)

・人間はそれぞれ守るべき原則をひとつかふたつ持てばそれでいい。他のことはさっさと妥協してしまえ(中江丑吉)

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「雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略」

雑草という何気ない話題からの一冊、素晴らしい。

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