星野誠 makoto hoshino

「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 」一流になるなら、一から自分でやらずに、すでに一流になっている人に教わればいいんです

2020.9.23

「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? (村山太一氏)」がとても面白かった。

小規模レストランは勿論、小規模店舗、個人店の方はとても参考になると思う。

イタリアの三ツ星レストランの「ダル・ペスカトーレ」で副料理長、その後、目黒区にある自身レストラン「レストラン・ラッセ」をオープン、9年連続で一ツ星。そんな村山氏の本。

本の内容は、ずばり1つ、

「一流になるなら、一から自分でやらずに、すでに一流になっている人に教わればいいんです、そしてまずは、徹底的に完コピ」

このことについて、書いてある。

村上氏「はたから見れば成功しているようにみえたかもしれませんが、実際は長時間労働が常態化、人間関係は最悪、経営もギリギリ、スタッフは幸せじゃないし、僕も幸せじゃない(本文抜粋)」状態から経営改善のためにサイゼリヤでアルバイトというところまで、「すでに一流になっている人に教わる」ということを軸に大変テンポよく書いてある。

サイゼリヤは自分も好きで唯一利用しているファミレスだけれど、ミシュランの3つ星の副料理長、さらに自身の店も1つ星の方が、普通にWEBの採用枠から、サイゼリヤの最も末端に飛び込めるところがまず凄い!

 

以下noteより抜粋

「人時生産性が、低いんです街場のレストランは。生産性が低ければ当然給与水準も低くなります。サイゼリヤでは社員は26歳くらいから店長になりますが、三つ星レストランのお店の店長より給料が高いです。

レストランは、席数と時間が決まってるから、頭打ちなんですよ。値段をあげたらお客さんはついてこれなくなります。このままのモデルで現場維持でなんとかやりくりしても、給料を上げられません。一生給料あがらないけど頑張って、なんて言われても情熱を保てませんよ。

レストランを成り立たせるには、一人当たりの売り上げをあげるファイナンスの頭と、料理やサービスの技術を向上させる・新しい驚きを与えていく頭、その両方が必要です。情熱を保ちながらその両方を彼らができるように、ちゃんと給料を払う。生産性をあげて労働時間を減らすことで、プライベートの時間も持ってもらう。仕事だけの人生じゃあ楽しくないですからね。」

 

本当そう、お客様の数が決まっているようなお店はまさにここで、生産性をあげていかなきゃ給料が増えない。絶対に。

 

以下は本の内容より抜粋

「一流になるなら、一から自分でやらずに、すでに一流になっている人に教わればいいんです」

「師匠は一流でなければいけないし、トップでなければなりません。ただし、一流=有名人というわけではありません」

これは本当にそうだと思うし、スポーツでなら自分も今、中学生や、学生のコーチにスイムについて熱心に教わっているけれど、これを自分の分野の本業でというのは本当にすごいことだ。

以下、本文の村上氏の言葉

「僕がサイゼリヤでバイトをしていることを知ると「なんでまた、そんな店で?」と反応する人は多くいます。それはサイゼリヤを下に見ている証拠です。ミシュロンガイドに載るような高級レストランが上位にあり、サイゼリヤやガストなどが下位にある。それは価格帯の違いであって、飲食業としての本質はまったく変わりません。僕はサイゼリヤには学びに来ているので、星付きシェフ村上太一のスイッチは完全にオフにしています」

「バイトを徹底的に楽しむためには、全力で取り組むのと同時に、怒られる時は本当に怒られなきゃいけないと、僕は思います。たとえ学生に怒られても、自分より経験が浅い社会人に叱られても、その場で自分が一番下っ端なら、上の人の言葉は謙虚に受け止めなきゃいけません。これまでの経験や実績を脇に置いておくこと。自分が気持ちよく働くためにも、真剣勝負でなきゃいけません。そのためにはプライドを脱ぎ捨てて、たくさん失敗して、たくさん怒られる覚悟を持っておくことです」

これを実際に、できる人はどの程度いるのだろう?

 

「人は努力して何かを達成し、成功体験を積み重ねていくと、それが自身になります。けれども、それは傲慢や思い上がりという副作用があることを忘れてはいけません。それでつぶれていくシェフも結構います」

これなんか、本当にそうで、常に意識していないと、特に変化の多い現代はなおさらだ。さらにこちら

 

「かつてのラッセは僕が王様でしたが、今は真逆でフラットな組織体勢にしています。王様をやめたら人事生産性が3.7倍になったんです。」

小さな店舗や、小さな会社だと、どうしてもトップが王様になりがち。それで、仕事を抱え込み、一人だけ忙しいというのはよくある。うちは、小さな眼鏡屋を新宿と銀座でやっているのだけれど、本当に、これうちもそうで、スタッフの目指すべき方向性と、役割を明確にして、フラットな組織にしていかなくてはいけない。

 

「僕もそうでしたが、自分に厳しい人は、人に対しても厳しいところがあります。自分が理想とする人なんてめったにいないもの。一緒に仕事をするうちに、悪い部分が目に入ってきて、自分が求めている人ではなかったと決めつけてしまう。むしろ、仕事ができない人でも活躍できる強いチームにするべきなんです。自分も欠点や弱点がいっぱいあるように、周りの人にも欠点や弱点はる。それを補いながらやっていけば、チームの力は10倍にも100倍にもなることを、今の僕は知っています」

「それぐらい教えなくてもわかるだろと思いガチ。しかし、自分の問題意識と相手の問題意識は、必ずしも一致しません。かまめにみんなですり合わせていきましょう。答えをあたえないこと。そのかわりに「問い」あんなにスタッフに指示を出してばかりいた僕も、今はすっかり答えをあたえない上司になりました」

これも本当にそう。ダメだよな〜。これは。本当にダメ。ダメとか思いつつも、なかなか、これも気を抜くと難しい。

 

そして、巻末のサイゼリヤ正垣会長の対談の正垣会長のお話も面白い

「要するに、今あなたがいるところが最高の場所で、一番大事なのは、嫌なことがおこても、それって全部いいことなの。それを生かせばいい。アサリと八百屋の持っている野菜。それを活かしたから自然とイタリア料理になっちゃった。あと1つ。本八幡の一番街でどう言う店を出したらみんなが嫌がらないかっていったら、イタリア料理だったの。焼肉屋も養殖も和食もラーメンも全部あるわけ。だから誰にも文句いわれないイタリア料理にしたの」

「コロナとかで大不況がくるよね。何やるかっていたら、ゼロベースって言うんだけど、経費を全部ゼロから見直す。どれが必要か、必要じゃないかって。つまり減量なの」

「競争に勝ち残るには商品が美味しくなければダメ。そこで一番大事なのは、生産性を確保すること。コックさんをタダで働かせるような昔の方法だと生存できないです」

「放っておいても、こうしてくれって自然と目の前に落っこちてくる。それを取りに行かなくても、そうなっちゃう。そう言うもんなんだよ人生って。うまくできてるんだよね、エネルギーでできてるから。俺は努力大嫌いだからな」

 

以上、まだまだ盛り沢山。

あと、こんなこと言うのは、おこがましいが、村上氏、登山家の竹内洋岳さんを理想としてたり、宇宙が好きだったり、イーロン・マスクさんを理想として月にレストランを作ろうとしてたり、なんか自分と発想も似ている。

最後にこちら村上氏の言葉を抜粋させていただき、おわらせていただきます。

「自分が本物のダイヤモンドだと思って、自分に投資していく。それだけの自身は必要だし、そのための努力はしていくべきだと思います。」

小規模レストランは勿論、小規模店舗、個人店の方はとてもオススメ!!!

「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? (村山太一氏)」

是非是非!! それでは、みなさま、本日も良い1日をおすごしくださいませ!

あと、記事の途中で参照させていただいたこちらのnoteもとても面白いです!
「目黒の星付きイタリアンのオーナーシェフは、サイゼリヤでバイトしながら2億年先の地球を思う」(美食倶楽部ネットワークnote))

 

 

 

 

 

カテゴリー

– Archives –

– other post –

– Will go to Mars Olympus –

– next journey Olympus on Mars through Space Travel –

– 自己紹介 インタビュー –