星野誠 makoto hoshino

『もうインドに行かない』

2019.9.1

『もうインドに行かない』

僕が初めてバックパックを始めたのが、18歳の時。18歳、人生初のバックパックがインド。

空港についた真夜中、黒い体の客引きたちの白い目だけが、こちらを追ってきて、その後最初の1ヶ月、散々だまされた。

朝、騒音で「はッ!」と目をさますと、別世界で「あ、ここインドか」と気づく。

親切で呼ばれ、現地の田舎の家族の団欒にいれてもらい顔が腫れ、(掘っ建て小屋のようなところで、「おもてなし」として、隣に生えている草(たぶん今考えても、草)を出され、家の方もありがたそうに食べていたので、自分も必死に完食したら、その晩、顔がパンパンにはれた。

家の人たちも目の周りに腫れがあったのだけど、まったく一緒。(この意味のわからない腫れは10年に一度ぐらいまだ突如出る)

発進した電車が逆方向、間違っているというので、電車から飛び降りたらズボンが破れ、飛び込みでお寺にお世話になったら、夜人生で初めて全身金縛り、悪夢にうなされ、じつはつい先日同じ部屋で人が亡くなったと聞いた。

おじちゃんたちは昼から仕事もせず、サイコロ遊び、親に手足を切られてしまった手足のない物乞い。インドから帰るときは『もうインドには行かない』と思ったけれど、帰ってきたら、またすぐ行きたくなった。

『もう 〜 には絶対行かない』

そんな経験こそが、今の僕の人生の土台になっている。

『もう〜には行かない』そんな場所を何歳になっても探し続けよう!!

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