星野誠 makoto hoshino

明るいところだけを見ている人を楽天的とはいえない

2019.6.16

社交的で楽天家、苦労もなさそうなゲーテ。よく幸福だったといわれているけれど、じつは、75年の人生は苦労と仕事以外のなにものでもなかったらしい。

75年のなかで本当に幸福だったときは一ヶ月もなかった。石を上に押し上げようと繰り返し永遠に転がしているようなものだったといっている。

暗いことに目をそむけて、明るいところだけを見ている人を楽天的とはいえない。暗いところに目をむけて、それでも自らの血肉に変えられる人を楽天的というのだろう。

よく言われる

「涙とともにパンを食べたことのない人には人生の本当の意味はわからない。ベットの上で泣きあかしたことのある者でなければ、人生の本当に安らぎはわからない。暑さ寒さに苦しんだものでなければ、人間というものの値打ちはわからない」と。

苦悩を一切味わったこともない人と、苦悩を切り抜けてきた人で人間の大きさがかわるのは当たり前だ。数百億の借金で苦しんだ。社員を1000人かかえて苦しんだ。そんな人と、ただノホホンとお金をもらっている人との考えや人間性が同じわけがない。

苦悩の大きさで人は成長するというのは、間違いないのだろう。

実存の方でも、過去の方でも、自分が「あんな風になりたい!」と思っている先輩方とはまず苦悩の量が絶対的に違うから、これから自分も積極的に苦悩という渦にまず自ら飛び込んで行かないと!

何はともあれ。どんな人生であっても、人生はいいものだ。

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