山で気をつけていた唯一の事。一人悦に入って死なない。
山で気をつけていた唯一のこと。それは死なないということ。
死ぬっていうのは一番の言い訳だ。一番簡単で雑な言い訳だ。だから自分は登山の最中は絶対死なないようにと、常に本気で思っていた。
悪魔に魂を売ってでも死なない。一人、悦に入って満足して死なない。手足がなくなっても死なない。どんなに惨めになろうと全力で帰ってくる。
それしか考えていなかった。自分の生をすべて全うするするまで、どんな状況であっても死なない。
色々なことに挑戦させてもらう礼儀として、これからもそうしたい。