星野誠 makoto hoshino

国際疑似火星居住実験クルーの最終選抜候補者「村上祐資さん」行きたくないんだけど、とっても行きたい!火星

2017.11.9

昨日、国際疑似火星居住実験クルーの最終選抜候補者、現在火星にもっとも近いという村上祐資さんのお話を聞いた。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「村上祐資さん」

NASA・ハワイ大学が計画する〈HI-SEAS(マウナロア火山)〉ミッションと、米Mars Society が計画する〈Mars Arctic 365(北極デヴォン島)〉ミッションの、二つの国際疑似火星居住実験クルーの最終選抜候補者

極地建築家 本「10+1 No.46 特集=宇宙建築、あるいはArchitectural Limits ―極地建築を考える」など

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

すごく面白かった。村上さんは自分と同い年1978年生まれなので、お話し聞く前から、一方的に親近感を抱いてました、勝手に。さて、お話自体ですが、あくまで自分の印象だけど今回の村上さんのお話で特に印象に残ったのが、以下の3つ。

◆ 火星行きたいと閉鎖トレーニングくる人は、
関心と無関心が極端な人が多く、さらに無関心な事の領域が圧倒的に多い

◆ 応募してきた既婚男性は総じて奥さんのことが大好き

◆ 村上さん自身は、火星には行きたくない

まず一番最初

火星行きたいと閉鎖トレーニングくる人は、関心と無関心が極端な人が多く、さらに無関心な事の領域が圧倒的に多い。これ、みんな極端なイケイケな人が多く、自分の関心ある分野だと のめり込むんだけど、自分の興味のないことには恐ろしく興味をしめさない。

つまり社会性がない人が多い。これを聞いた時、まさに自分だと苦笑いしてしまったけど、火星に応募してくる人は、ある分野にしか興味をしめさない、自己中、欠陥人間が多いということみたいだ。

まあ、やっぱりね!とまずは、すごく納得。

2番目

応募してきた既婚男性は総じて奥さんのことが大好き。

これはすごく驚いた。1番目のような自分の興味のあることにしか、興味のないような欠陥人間は、奥さんのことが大好きになるんだろうか。どちらかというと必然的になるのかな?さもないと、速攻奥さんに逃げられちゃうから。ちなみに閉鎖空間のトレーニングに応募してくる女性は結婚=人生の墓場 と思っているような独身女性が多いとのこと。自分も「奥さんLOVE」を大々的に世間に向かって叫んでるんで、なかなか興味深かった。

次、3番目

村上さん自身火星には行きたくない

これを聞いたとき、そうだろう、そうだろうと思った。まずなにより、閉鎖空間の中を、1番2番みたいな身勝手な相手とともに半年も過ごす。これって相当タフな話しだ。さらには、危険度。もうわかると思うけど、初期で火星に行くとなると、危険度においてもおそらくもう半端ない。

自分 現在、 「火星! 火星行くっ! 」と 至る所で叫んでいるが、じつは本当のところ、自分の中には、いわゆるネガティブな感情しかない。自分の中で、一番多い感情は、恐怖。もう圧倒的な恐怖。一番は、間違いなく押し寄せてくるであろう 絶望的な孤独に対する恐怖。そして、2、3、4となくて、次に、閉鎖空間の人間関係の煩わしさかな。

最近、自分が「火星に行きたいっ!行く!絶対行く!」と至る所で叫んでいると、ニコニコしながら、じつは僕も行きたいんです!と同調してくる方も多いけど、「火星に行く!」ということを本気で考えた時、じつは自分には、本当のところは、恐怖しかない。

ただ、なんというか うまく表現できないんだけど、恐怖はとことん嫌い なんだけど、そこに自分を追い込みたい! という好奇心も同じぐらいある。

話、ちょっと変わって、自分は、何かに挑戦するときに、ほとんどリサーチしない。でもその代わり、その分野のイメージ集取には余念がない。一番簡単なとこでは映画。映画を良く見る。エベレストに登る前は、エベレスト系の映画をすべて見た。エベレスト登ってる最中に、ベースキャンプでも毎日毎日見てた。

「どうやったら生きて帰ってこれるんだろう」

「どうやったら死なないんだろう」

「どういう人が死ぬんだろう」

そういうことを思いながら、ずっとずっーと一人テントの中で映画を 毎晩毎晩 見ていた。「エベレスト3D」とか「ビヨンドザエッジ」とか「運命をわけたザイル」とか「127時間」とか「ヒマラヤ運命の山」とか。で、自分なりに高所登山というものについてわかったことは、

「今の時代では、エベレストで死なないためには絶対に酸素」

「死なないためにはできるだけ早く下山すること」

「もし何か事故にあってしまっても、精神力をぜったいに切らさずクソまみれになっても1mmでもいいから進むこと」

「人間、127時間は頑張れる、だから必ず頑張る」 ということ。

エベレストの時は、これらをずっと頭のなか奥底に刷り込みながら登った。で、結果ありがたいことに、五体満足で無事帰ってこれた。

さあ、次は、今から自分が行く宇宙の場合のためなんだけど、今自分は、「ライトスタッフ」「2001年宇宙の旅」「passenger」「インターステラ」「オデッセイ」などを何度も何度も見ている。

「自分は果たして、宇宙の孤独に耐えるのか」

「宇宙空間に行っても生きて帰ってこれるのか」

「宇宙空間に行って行きて帰ってくるには何が必要なのか」

と常に想像しながら。

周りからみたらすごく怖いだろうが、時に一人 涙しがなら映画を見ている、しかもその映画、何度も見ているっていうのに。

宇宙系では、今僕は、特に、有人宇宙飛行計画マーキュリー計画に従事した7人の宇宙飛行士の実話を基に描いた作品「ライトスタッフ」を何度も何度もみている。これがすっごくいい映画なんですよ。本当に。

たぶん、最初に火星に行くような人は、「ライトスタッフ」のマーキュリー計画に挑んだ 7人の宇宙飛行士のように、「死んでも本当に悔はない!」というような人じゃないと間違いなくダメだ。

あと、もう一つ、これは自分が家庭を持っているからなんだけど、「ライトスタッフ」の宇宙飛行士の方はすべて 全員「奥さんLOVE!! 」だったので、やっぱり宇宙に行くには 「奥さんLOVE!! 」も欠かせない。

なお、この「ライトスタッフ」という映画、宇宙に行く際の、旦那を見送る奥様方の苦悩もありありと描かれているので、家族や子供がいるけど、これから何かをやろうとしている人は絶対必見だ。

話が飛んでしまったけど、とにかく、火星に思いを馳せるとき、僕の頭には、危険と恐怖の感情しかない。ただし、恐怖に匹敵する好奇心があるのは確かだ。なので、自分も火星には行きたくないんだけど、とっても行きたい。たぶん村上さんもそんな感じなのではないかと思う。

行きたくないんだけど、とっても行きたい!火星。

必ず行きます!火星!待っててよぉ、火星!!!ビビりながらでもしっかり行くからね !!

カテゴリー

– Archives –

– other post –

– Will go to Mars Olympus –

– next journey Olympus on Mars through Space Travel –

– 自己紹介 インタビュー –