星野誠 makoto hoshino

公言は公約です。現在にないものは永久にない、逆に将来あるものならば必ず現在ある。

2020.9.28

先日も紹介した岡本太郎さんの「今日の芸術」に自分も自分の本に書かせてもらったことで書いたことで、自分のオリジナルの思考かと思っていた「公言は公約」について、ほぼ全く同じことを岡本太郎さんが書かれていた。

 

自分は、エベレスト登頂後に出版した本「素人からの挑戦: 宇宙に行くため 地球の最高峰へ!」

「エベレスト挑戦の際もまったく同じでした。まず初めに「2019年、エベレスト登頂しました」と宣言しました。もちろんこの宣言をしたのは、なんの目処も検討もついてなかった時期です。でもとにかく、まず宣言します。多くの人に聞いてもらうよう、外に向かって言ってはいるのですが、宣言対象は自分自身です。「誰か助けて!アドバイスして!」といったことはまったく期待していません。宣言する意味は一つだけ。「この宣言は僕のもので間違いありません。今からここに向かいます」という意思表示をしているだけ。皆さんに公証人のような役目をしていただいている、それだけなのです」

と純粋に体験から出てきた言葉を書いたのだけれど、岡本太郎さんの今日の芸術にもさらに詳しく、さらにわかりやすく

 

以下、岡本太郎さん「今日の芸術」本文より抜粋

「黙っていれば無事に済んだものを、しかしノッピキらない立場に、自分を追い込まなければいけない。言ったばかりに徹底的に、残酷なまでに責任を取らなければなりません。言ったことが大きければ大きいほどそうなんです。もし責任が取れなかったら、大変なアホウ、笑われ者になり、たちまち社会的信用を失ってしまいます。「世間はみんないい加減なだから、まあこのくらいで」などと調子を下ろしたりすることはもちろん、人に同情を求めたり、寄りかかったりすることはコンリンザイできません。あくまでも自分の言葉に対して、百パーセント責任を負わなければならないのです。だから、うぬぼれていられるどころではありません。」

「おのれ自身に対しては逆に残酷に批判的で、つまり謙虚でなければならないのです。自分を積極的に主張することが、実は自分を捨ててさらに大きなものに賭けることになるのです。だから猛烈に自分を強くし、鋭くし、責任を取って問題を進めてゆくべきです」

「よかれあしかれ、何事につけても、まず飛び出し、自分の責任において、全てを引き受ける。こういう態度によってしか、社会は進みません。私は、その惰性的な不明朗さを、まず、身をもって打ち壊さなければ芸術は成り立たないと考え、新聞に爆発的な芸術宣言を書いたのです。

「絵画の石器時代は終わった。本当の絵画は私からはじまる」というような文句で、それは始まっていました。発表される前に、この原稿を読んだあるジャーナリストが、「こんなものを活字にしたらたいへんだ。あなたは日本というところを知らないんだ。悪いことは言わない。おやめなさい。今からすぐ新聞社に電話をかけて、断っておしまいなさい。こんなものを出したら、あなたは破滅だ」なるほど、そうに違いないということはよくわかりました。しかし、誰かがやらなければ、この死んだようによどんだ空気からは何も始まらない。そしてその誰かは、すでに踏み出した私自身だ」

「謙譲の美徳、「私なんかダメだけど」などということからは、いかなる事実も出発できません」

「お互いにとか「みんなでやろう」とは言わないことにしなければいけません。「誰かが」ではなく「自分が」であり、また「今はダメだけれど、いつかきっとそうなる」「徐々に」という、一見誠実そうなものも、ゴマカシです。この瞬間に徹底する。「自分が、現在、すでにそうある」と言わなければならないのです。現在にないものは永久にない、というのが私の哲学です。逆に言えば、将来あるものならば必ず現在ある。だからこそ私は将来のことでも、現在全責任を持つのです」

「そこで私は、きわめて朗らかに、「私はすでにピカソを乗り越えている」を卑屈なインテリどもを悔しがらせているのです。自分がそうであると公言することは、決して得することではありません。およそ、その反対です。公言は公約です。「俺こそ芸術家である」と宣言した以上、全てそれ以後の災いは、己だけに降りかかってくるのです」

抜粋「今日の芸術」

うーん。さすが岡本太郎さん。

自分も引き続き、災いが降りかかって来ようが、なんだろうが、自分の将来のことに全責任を持つべく「火星に行くんです。すでに決まってるんです」と言い続けていこう!

 

 

 

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